研究会について

ライフサイエンス技術研究会とは何か?

 健康や医療に直結するライフサイエンスの分野は、近年大きく進展しました。我が国は現在、少子高齢化の只中にあり、人口減少社会に突入しています。このような時勢にあって、ライフサイエンスの分野の社会における役割も徐々に変化してきています。「LIFE」は生命や命という意味だけではなく、寿命、生活、人生という意味合いも含まれています。ライフサイエンス技術研究会は文字通り「生命・寿命・生活・人生を全うするための科学技術」を提供し、そして共に議論し学んでいくために生まれました。

 学術的集会や専門分野のセミナーは、新たな役割が求められる時代となりました。各学協会において、これまでは研究者や医療従事者等の専門家に対してのみ、情報提供や研究成果の公表が行われ、それらに対する議論や意見交換が行われてきました。しかし現在は、IT技術の発展やグローバル化の結果として、知識に限定すれば誰もが専門家レベルに肉薄できる時代になっています。研究者・医療従事者・技術者・一般社会人・学生など立場の違いを考慮せず、別け隔てなくライフサイエンス分野の知識や技術背景を理解し、各自の仕事や人生に役立てて行くことが求められる時代になったと言えるでしょう。

 その意味で、本研究会は小規模ながら他の学術集会等とは一線を画し、ユニークで時代を先取りしたオンリーワンの活動を目指します。本研究会のキャッチフレーズは「ヒトと動物の生命技術を追求し、健康と人生を科学する」。前半のフレーズはスペシャリティーの追求を意味し、後半部分はそれらの一般社会への具体的フィードバックと言えるでしょう。通常の学術的集会では前半部分のみで、一般向けへは市民公開講座などが別途開催される程度です。しかし本研究会は、各分野のスペシャリストや一般人の双方同時に有益となることを前提とした上で、「少子高齢化社会を生き抜く」にあたって、「各自の人生や仕事に役立てる」ために、ライフサイエンス分野の成果から導き出される、「具体的に役立つ知識やノウハウを提供」することを目的とします。特に、スペシャリストと一般人の区別なく同様の情報を同条件で提供すること、また、それらに対する議論や意見交換も同じ土俵で行われること、さらに、専門分野の違いやスペシャリストと一般人の垣根を取り除けるよう、可能な限りわかり易く伝えることを旨とします。

 具体的には、「少子化」に関連するライフサイエンス技術として、不妊治療で行われる生殖補助医療技術や、「高齢化」に関連する技術として抗加齢・抗老化をはじめ、各種の健康科学や医療技術・医療安全のテーマ、食や農の安全に関わるテーマ、さらにはライフサイエンスの発展を支える実験動物技術、そして「少子高齢化社会」を生き抜く上で重要となる「新しい家族」としてのコンパニオンアニマルとヒトとの関係、老後を生き抜くための資産形成など、ユニークで多様なテーマを扱います。さらに、社会貢献活動として中高学校等への出張授業等も展開していきます。

 本研究会は、専門分野や立場の違いを越えて、別け隔てなく多様な背景の方々に参加いただくことを願っています。そのためできるだけ気軽な会にできたらと思います。さらに何を行うにも最終的には人と人の繋がりが一番大切となります。ネットワーク作りにも利用して頂ければこの上ない幸いです。

ライフサイエンス技術研究会

研究会企画委員一同

研究会企画委員会

【2023〜2024年度】

(五十音順)小川 真人、加田 日出美、上代 傑、坂本 淳平、谷口 遼馬、畠山 尚久、本橋 秀之